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12月
大晦日に久しぶりにブログを書こうとしている。
毎年誰かの訃報は入ってくるのだけれど、今年はピアノの田村和大君の訃報と、生徒さんの訃報で、色々感じるものが多かった。
健康第一なんだな、と。当たり前のことだけれど、痛感した。本人にとっても周りの人たちにとっても。
本当は明日が来ることも都度都度ミラクルなことなんだけれど、私はミラクルなことだと感じるチャンスがあっても、明日が来ることは決まってるという風にすぐまた勘違いして思い込んで生きてしまう。もっと、この日々の継続が奇跡の連続なのだと意識して愛しんで過ごせるように、気を付けていこうと思った。
そしてもう一つ、今をどう生きるか、ということの大切さも痛感した。
田村君にしろ、生徒さんにしろ、40代で人生が終わるとはその日まで想像していなかっただろう。田村君はこの先の演奏についてよく話していたし、生徒さんも次回の春の発表会で歌う曲の練習に取り掛かっていた。
その時々でベストを尽くすしかないのは理解しているけれど、いつもいつも全力疾走できているかというとそうでもなく、ともすると怠惰が忍び寄ってきて居座る。その時に私の生が終わることを想像したら、今を大切にせずに生きている瞬間が自分にあるのは恐ろしいことだなと感じた。
田村君がなくなって7か月半。生徒さんがなくなってそろそろ2か月が経とうとしている。折に触れ、音に触れ、思い出して悲しく辛くやり切れないと思うこともあるけれど、音楽の中で再び出逢う日が来ることに思いを馳せるとほんの少し穏やかな気持ちになることができる。
大切な友人の一人であったからこそ、大切な生徒さんの一人であったからこそ、悲しい気持ちにはなるのだけれど、ゆっくりと、田村君や生徒さんとの永訣を理解し抱き締めつつある。
前にも書いたことだけれど、音楽の中でまた出逢う日のために、私はもっと真摯に努力し続けなければ。
令和元年の大晦日がそんな気持ちで過ぎてゆきます。